第71回前編 中原知里さん(田舎会社東京支店事務局長)
知って味わい楽しんで、もったいない野菜を有効活用!
田舎直送! もったいない野菜のお店

田舎会社東京支店 事務局長 中原知里さん
| ご職業 | 大学生& 田舎会社東京支店事務局長 |
| 座右の銘 | 世の中のため、 人のために名を残す人になる |
JR恵比寿駅を降り、大通りから一歩入った目黒区の住宅街。普段は閑静な場所ですが、毎週金曜・土曜には旬の野菜が並べられた小さな露店があらわれ、大変なにぎわいを見せます。
その店先に立ち、野菜を販売しているのが中原知里さん。店を主催する田舎会社東京支店の設立メンバーであり事務局長、また現在慶応大学に通う学生でもあります。なんと田舎会社東京支店は、学生が中心となり結成された団体なのです。
「昨年の秋から始めて、近隣住民の方に少しずつ浸透してきました」と言う中原さんのところへ、早速常連のお客さんがやって来ました。
当日販売されていた野菜は、キュウリ・ナスといった定番から、ズッキーニ・エンサイ・オカヒジキなど珍しいものまでバラエティー豊富。しばらく来客は絶えず、店頭に並べられた野菜は少しずつなくなっていきました。

「もったいない野菜」は外観・味ともに市販品にも負けていません
「田舎のおばあちゃんたちも喜んでくれると思います」そう笑顔で話すと、中原さんは新しい野菜を並べました。
実は、ここで販売している野菜は農村で規格外などとして余ってしまった『もったいない野菜』。中原さんたちは、農村つまり田舎から野菜を直接仕入れて販売しているのです。
今では、おいしく食べてもらえることを知ったおばあちゃん達が、「もっとがんばって作らないと!」と、『もったいない野菜』を超えて、規格外以外の立派な野菜も送られています。
田舎と都会、生産者と消費者をつなげる活動

野菜販売の日に合わせて、おばあちゃんたちから野菜が届きます
中原さんがもったいない野菜と出会ったのは大学3年生のとき。インターンシップで、島根県の農村部にある吉田屋という旅館に宿泊したときでした。
「現地には、せっかく育てたのに食べられず、そのまま捨てられる野菜が畑にたくさんありました。私の宿泊した吉田屋は、生産者のおばあちゃんたちの言い値で野菜を買い取り、宿泊しているお客さんに料理としてふるまっていたんです」。
そう話す中原さんは旅館の手伝いをするうちに、田舎と都市、生産者と消費者のつながりが、今だからこそ大切であるということに気づき、何か行動を起こそうと決意しました。
「インターンから戻った後、参加した学生たちで『生産者のおばあちゃんたちのためにも、東京で何かできることはないか』と真剣に話し合い、私たちは旅館を経営していた田舎会社に協力をお願いしました。こうして生まれたのが、この東京支店です」
田舎会社から独立した名前を付けず「東京支店」としたのは、東京を本店とする企業が多い中で、あえて「田舎を活動の中心にしている会社があってもいいのでは」という考えから。中原さんたちの「田舎発」という意気込みが伝わる屋号です。
たくさんの人に田舎のことを知ってもらう場をつくる

生産者の似顔絵付きの野菜はお客さんにも大好評

もったいない野菜の料理は、田舎の現状を考えるきっかけにも
東京支店を立ち上げた中原さんたちは、まず野菜の販売と同時に、野菜を利用してカフェを開くことを考えました。その名も『いなかふぇ』。
田舎会社東京支店の事務所近くにある喫茶店を借り、もったいない野菜を使った料理を提供するイベントです。中原さんたちの活動に関心を持った学生たちを中心に、今では席数いっぱいの20人以上が参加します。
いなかふぇの特徴は、ただ食事をすることだけではありません。野菜を育てた生産者を招き、おいしい料理を食べながら、直接話を聞くこともできます。
「料理を味わうだけの場ではなく、田舎からの情報発信の場にしたいと思っています。ここでの食事や会話をきっかけにして、多くの都会の人に田舎のことを知ってもらいたいですね」
言われてみれば、私たちの生活には「知らなくてもったいない」こともたくさんあります。どうやら中原さんの活動には、野菜の有効利用以外にも、多くの意味が含まれていそうです。
※田舎会社東京支店が取り組む「もったいない野菜」販売以外の活動、そして中原さん自身の展望を紹介します。
田舎会社東京支店 ホームページはこちら







