第69回前編 武井敏信さん(タケイファーム経営) 

新鮮だからおいしい! 珍しいからワクワクする! タケイファームの野菜たち

● 一歩先行く農家でありたい!


愛機を手に。武井 敏信さん

ご職業 タケイファーム経営
座右の銘 一歩先行く農家

 「このアスパラガス、日本にはまだ100株しか入ってないレアものですよ」。
 イタリアから苗を輸入したというアスパラガス「セルバチコ」は、現在、タケイファームでは一番の新顔野菜。日本での栽培前例がないだけに、土作りから水やりまで、輸入元に問い合わせるなど試行錯誤しながら栽培しています。


日本ではめずらしいアスパラ「セルバチコ」

形がかわいらしい「ゴールディー」

 松戸市五香の住宅街の一角にある十反ほどの農園、ここタケイファームでは年間100種類以上の野菜を無農薬・減農薬で栽培しています。

 経営者の武井敏信さんは、とにかく「珍しい野菜を見つけると育ててみたくなる」性分。

 テニスボールほどのまん丸ズッキーニ、「ゴールディー」。黄色いインゲンに黒大根まで、スーパーではお目にかかることのできない野菜のオンパレード。

「世間で流行りだしたとたんに、マイブームは終わります。常に一歩先を歩いている農家でありたいんですよ」

と先駆けることにこだわります。



● 本物の野菜の味を知ってもらうために。


皮も中身もピンク色のじゃがいも「ノーザンルビー」

さやを開いて食べてみる、完熟前のひよこ豆

 タケイファームでは「採りたて野菜の本当のおいしさを知ってもらうために」、市場出荷はせず、収穫した日に直接宅配で届けるネット販売にこだわっています。

 お届けする「野菜セット」には珍しい野菜も多く入るため、食べ方やレシピをブログで紹介。
 中身までピンク色のじゃがいも「ノーザンルビー」で作るピンク色のポタージュや、未完熟の青トマトで作るペーストなど、野菜を知り尽くした武井さんならではのアイデアレシピに思わず腕まくりしたくなります。

 顧客には有名レストランのシェフも多いことから、新しい野菜の食べ方から盛りつけ方まで、アイデアを提供することもしばしば。

 さっそく、「これ、食べてみませんか?」と差し出されたものは、完熟前のひよこ豆。さやを開いて食べてみると、プシュッとフレッシュな香りが広がりました。

「おもしろいでしょ。こういう食べ方ウケるかな? 武井とつき合うと面白いものに出会える! とシェフたちに思ってもらえるよう日々研究しています」。



● 都会で武井流農業を続けるために


珍しい野菜が嬉しい野菜セット

ブログの写真は愛機、リコー「R10」で撮影

 帰農して8年目、少量多品種栽培を貫くタケイファームで、武井さんは多忙を極めています。常に収穫期を迎える野菜があるため、農閑期がありません。

さらに、注文受付から収穫、箱詰め、発送まで全てを一人でこなし、ブログでの野菜の情報提供も欠かさないため、現在の平均睡眠時間は3〜4時間程度。
今後、人を雇うということがあるとしても、現在のハイクオリティーを維持するためには、「農業経験の無い、先入観のない人でないと僕のやり方は理解してもらえないかも」と語ります。

「作ってみたい野菜は山ほどあるけれど60才まで同じ野菜はあと18回くらいしか栽培経験を積めない」という現実に向き合いつつも、都会で農業を続けるために、珍しくて美味しい、付加価値の高い野菜作りに掛ける、武井流農業に妥協はありません。



※<後編>では、30代半ばで帰農した武井さんの「かっこいい農家」をめざす、農家のイメージ改造計画。そして、未来型農業へのでっかい夢を語っていただきます。



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ブログ:「おいしく健康!新鮮野菜を極める!」 

文・撮影:ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスター 渡辺美穂