第65回前編 渡沢 農さん(セガレ代表) 

オヤジの野菜はセガレが売ります! 継がない息子の親孝行?

農業へのトラウマ?


セガレ代表 渡沢 農(わたさわ みのる)さん

ご職業 セガレ代表
webデザイナー
座右の銘 誰かを楽しませるために
自分も楽しむ

 東京・自由が丘にあるインテリアショップの前で、野菜を楽しそうに選んでいるたくさんの人たち。こちらでは月に一回、小さな青空マーケットが開かれています。その中で、ひときわ賑わいをみせているのが、渡沢農さんが代表を務めるセガレの店です。




自由が丘のマーケット看板

 セガレとは農家を継がずに東京で働く息子(セガレ)と娘(セガール)のグループのこと。
 彼らは仕事が休みの週末に、都内で開かれる4ヶ所のマーケットで実家の農産物を販売するなど、農業を応援するいろいろな試みを行っています。
 本業は青果の販売職かと思いきや、代表である渡沢さんの職業はwebデザイナー。山形にあるご実家では米、サクランボ、ラ・フランスなどを生産しています。

「小さいころの遊び場といったら畑。それがイヤでした。それに農業って結果が出るのに時間がかかりますよね。その点、webはすぐに反応が返ってくるから面白かったんです」

渡沢さん以外のメンバーも"何となく"、農業にトラウマがあるのだそうです。



セガレの輪


セガレ&セガールの値札準備

セガレの店は大盛況

リンゴとシイタケをPRするセガール

 セガレは農業セミナーに参加した3人から始まりました。セミナーに参加した人のうち、農家出身者は渡沢さんを含めて3人だけ。しかし農家の倅という共通点から、彼らはすぐに意気投合したのだそうです。

「僕はそもそも三男なので、実家を継がなくてもいい環境でした。コンピューター関係の大学をでて社会人となり、5年経ったとき、ふと、将来ずっと続けられる仕事って何だろうと考えました。農業セミナーに参加したのは何となくだったんですが、今思えば、自分のルーツは農業だと思ったのかもしれません」

 渡沢さんたちがセガレを結成して今年で2年。その間にホームページからメンバーを募集したり、また活動が多数のメディアに取り上げられたこともあり、たった3人で始めたセガレは20人以上にもなりました。現在も20〜30代の若い人たちを中心に参加者は増え続けているのだそうです。

「セガレは全員が主役。僕は事務局なだけ」

少しはにかみながら、渡沢さんはおっしゃっていました。



親孝行いりませんか?


継がなくてごめんなさい

「有機とか無農薬とか、そういう共通する特徴があればいいんですが、僕らはいろいろな農産物を扱っています。だから、最初はお客の呼びこみがやりにくかったんです。でも"親が作っているのもの"っていうのは一緒だから、ミツシ(セガレを始めた3人のうちの一人)が"親孝行、いかがですか?"なんて声を出し始めました」

 お店の前に張り出されている「親孝行いりませんか?」「継がなくてごめんなさい!」などのユニークなキャッチフレーズ。それにふと足を止めたお客様は興味津々でセガレメンバーに話しかけてきます。

「自分のオヤジが作っているものなので、誰よりもその良さを伝えることができるんです!」




他のメンバーも「これはあそこにいる彼のお父さん、あれは彼女のお父さんが作ったんですよ!」など、チームワークでのPRもバッチリです。

 売り手である彼らが、野菜に触れることを一番楽しみ、輝いてみえます。そして、それに応えるように彼らの売る野菜や果物も輝いていました。

※<後編>後編では東京の「セガレ」が考える農業支援についてレポートします。




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文章・撮影:ベジタブル&フルーツマイスター 霜村春菜