第63回後編 石井敏裕さん(農業)
熊谷野菜を盛り上げる、縁の下の力持ち
開けるのが楽しみな「熊谷お楽しみパック」

石井農園 石井敏裕さん
| ご職業 | 農業(石井農園) |
| 座右の銘 | 好きこそものの上手なれ |
石井さんの呼びかけで始まった「熊谷お楽しみパック」の販売。商品となる農作物は、石井さんが信頼できる仲間として声をかけた20〜30代の6人のメンバーが栽培し持ち寄ります。
この日も各自農作物を手に、石井農園に大集合! ダイコン、ニンジン、ネギ・・・葉がピーンと張って土がついたままの元気な冬野菜が顔を揃えます。

「熊谷お楽しみパック」の生産者は20〜30代の6人の若手メンバー
「埼玉県熊谷産の旬の野菜を新鮮なまま届けたいと思い、2007年11月から始めました。
その時期におすすめの野菜を9〜13種類に、庭になったミカンやキンカン、ユズなどの自家用フルーツが入ったり、季節の花や、果樹苗などが入ったり。ドングリや松ぼっくりを飾りに入れるなど、ちょっとした気持ちを大切にしています。
商品の紹介、調理法、保存法なども手作りしています。『開けるのが楽しみ』がテーマです」
頼れる兄貴分の石井ちゃん

持ちよった野菜も6人で丁寧に梱包します

松ぼっくり、もみじにヒイラギ・・・おまけのお飾りも季節感たっぷり

冬野菜にイチゴと、石井さんの自宅で実ったキンカンがはいった1月の野菜パックのラインナップ
農作物だけではなく、熊谷の新鮮な空気やメンバーの真心までもが一緒になって注文をいただいた各家庭に届くよう、責任をもって丁寧に梱包していきます。
6人集まれば意見もアイデアも様々・・・。毎回いろんなエピソードが誕生しています。
5月にはメンバーの坂田さん宅のタケノコを入れることを思いついた石井さん。しかし鮮度が命のタケノコだけに、反対意見が出ました。そこで自ら試し掘りし、調理した結果、配送にも堪えられると判断、配送当日の早朝に2人で40本収穫し配送! そして、お客様の反応は・・・
「『貴重なものをいただけて感激です』。とか、『掘るの大変だったでしょう』、『採れたての美味しさにびっくりです』など感想がたくさん届きました。タケノコを野菜パックに入れられるには僕らだけだ! という自信もあったのでどうしてもいれたかったのです」
こうして毎回、試行錯誤を重ねながら、他にはない石井さんたちだけの野菜パックが出来上がっていきました。
「石井ちゃんはいつも前ばかり見ています。行動力があって立派な兄貴的存在です。まじめに農業に取り組んでいても前に出るのが苦手な僕達を、グイグイ引っぱってくれます」
と、メンバーから一目おかれいる石井さん。メンバーの農業意識向上にも一役買っているようです。
イチヂクがつないだ"縁"が『農園ツアー』に

一度食べたらやみつきイチジク蓬莱柿。このイチヂクが縁をつなぎました

農園ツアーでは新鮮野菜の美食共演
また石井さんは年に2回、石井農園を開放しての農園ツアーも開催しています。
新鮮野菜をふんだんに使ったメニューはもちろん、フルーツガーデンやハウス内での収穫体験などおいしさで身も心も満足するツアーは毎回大好評で、回を重ねる毎に参加者が増えていきます。
「お料理教室に農園のイチヂクを提供したことがご縁で始まりました。メンバーも手伝ってくれまさに農"縁"ツアーです」
普段は顔を合わさない野菜パックの購入者と直接触れ合える場でもあり、おのずと野菜果物の話で盛り上がります。
そして、農園ツアーの参加者の収穫体験をしているイキイキとした姿を目にし、
「観光栽培も手がけてみたい」
と考えるようになったといいます。

秋には黄金に輝くコシヒカリ。農園ツアーでは稲刈りも体験できる
「目の前で見て、自分が欲しい野菜を収穫して買える。そんな販売もありかと思います。地元野菜の良さや農業を広めていくのも、僕達の使命と感じています。子供達の農業体験など農を教える立場としての活動を、このメンバーとしていきたいです」
農業に向き合う個人の力は小さくても、志高い仲間との結束があるからこそ実現できる農業スタイルがあります。
地に足をつけて、本当の贅沢を知る。
食の安全が叫ばれる今だからこそ、石井さんのような魅力的な生産者が注目されるのかも知れません。
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文章・撮影:ベジタブル&フルーツマイスター 香月りさ写真提供(梱包の写真・野菜パック(松ぼっくり、柊・1月)・コシヒカリ苗)石井敏裕さん







