北川 みゆきさん(ベジタブル&フルーツマイスター)

食卓を守る女性達に、身近なベジフルライフを提案したい

●食への情熱から野菜ソムリエに


ベジタブル&フルーツマイスター
北川みゆきさん

 学生時代に栄養士の資格を取得した北川さんが、「好きな食の世界にはいずれ就きたい!」 との思いを抱き、その念願の夢が現実になったのは結婚後のこと。料理雑誌の編集やスタイリングの仕事などで、夢だった食の世界に携わることになりました。

「雑誌の料理の特集ページなどを担当しました。企画から、調理、器やテーブルコーディネートなど 全てをこなします。時間は不規則で深夜までかかることもありましたが、念願の仕事だったので とても充実していました」

 しかし、2人のお子さんの育児との両立が難しく、やむなく退職することに。



千産千消!千葉県野菜の魅力を紹介 ここでも野菜ソムリエの知識がいかされます

 この間も食への情熱は途切れる事はなく、独学で料理の勉強をしたり、プロのシェフに学ぶ料理教室に通ったり、フレンチレストランの厨房で働いたりと知識の幅を広げていたそうです。そんな時に偶然にTVで知ったのが野菜ソムリエの資格でした。

「子供の成長と共に、母としての食の大切さを実感するようになりました。上の子が小学校に入学し、下の子が2歳になったのを機に、野菜ソムリエの資格を取得しました」

 そして資格取得がきっかけとなり、野菜や果物を様々な角度から見る事ができるようになり、ご自身の仕事にも考え方にも影響を与えるようになったそうです。



●生きているものいただく、ありがたみ


野菜を語るには自ら栽培! 畑ライフは2年目に

これな?んだ? 野菜の話に子供達は興味心身

 「以前は、野菜や果物を"モノ"としてみていました」と話す北川さん。
 しかし、授業で生産や流通など多方面から野菜を学び、ただ"モノ"としてではなく、生産者の方の思いや流通の流れを知ることで、野菜や果物に対してありがたみを持って食するようになったそうです。

「1つ1つに生産者さんの思いが込められていて、大切に育てられているということ。様々な人の手を介して、自分の手元に届いているということに、改めて感謝するようになりました」

 そこで自ら体験しようと始めたのが野菜作り。自宅から1時間ほどの場所に畑を借りて、季節の野菜作りに汗を流しています。

「サツマイモにトマト、インゲンに枝豆など、今年も家族で苗を植えました。小3の長男は苦手な野菜が多いほうですが、自分で畑を耕し、種を蒔き、水をまいて収穫してと、一連の農業体験することにより、着実に食べられる野菜の種類も増えました」

 植物の変化が、日常にリズムを作ってくれる。そんな家族で楽しむ畑ライフは、今年で2年目をむかえるそうです。そしてこの畑でできた農作物が食育指導の現場にもいかされて、北川さんの仕事をおおいにサポートしています。



●野菜ソムリエの視点で食を指導する


千葉の食育2008 NPO法人 日本食育ランドスケープ協会認定の食育実践アドバイザーとして千葉産野菜をPR

 現在、保育園での調理や食育サポートをされている北川さんは、自分の畑で取れた野菜を実際に見せて話しをしたり、とうもろこし畑の写真を見せては、実のつけ方などを教えているそうです。
 また、NPO法人日本食育ランドスケープ協会認定の食育実践アドバイザーとして、小学校で食育授業も担当しています。

「朝食や味噌汁を作る授業で、レシピ提案から調理実習まで子供達と一緒に考えます。野菜も緑黄色、淡色野菜があることやどうして朝ごはんを食べるのかなど、食べ物に関してのレクチャーを行います」

 野菜もひとつの情報だけじゃなく、成長の過程から栄養、調理に至るまで、多方面からアプローチすることによって、子供達に関心の幅も広がります。生きていくための食が、楽しいものであるように。命のバトンタッチの仕組みも野菜ソムリエの視点で伝えています。



●家庭の食を守る女性のために


心と身体を育む保育園での調理

オリジナルレシピ 鯛の冷製クレソンソース

 野菜ソムリエとして、最近では企業向けのレシピ提案なども行っている北川さんは、ご自分と同じ様に、お子さんがいる同世代の女性向けに、野菜や果物の魅力を伝えていきたいとの夢があるそうです。

「家庭の中で、母親がいつも幸せな笑顔でいると、自然と家族も幸せになれると思います。母親が野菜や果物の魅力を知る事により、その子供達にも魅力が伝わり、野菜嫌いにならない子供になるのではないでしょうか。自分の体験からもそのように感じることが多いのです」

 その為に、将来は野菜・果物のレクチャーを交えた料理教室を開き、1人でも多くの人に野菜や果物の魅力を伝えていきたい。そして、料理の用途に応じて、品種で選べる楽しさなどを、もっと 身近に感じて知って欲しいと話をしてくれました。
 北川さんが野菜ソムリエだからこそ、「聞きたい」「教えて欲しい」との相談も多くこの資格が社会から期待されているものなんだと、改めて実感する事もあるそうです。

 栄養士として栄養の面からや、栽培を通じて得た生命の強さと自然との付き合い、そして家庭を守る母としての知識も加わり、たくさんの引き出しをもつ北川さん。

 自分でも学んだからこそ得た知識、そして食の大切さ。こうして育む食への取り組みは、人に伝える事で、また新たな繋がりを生み出していきます。






文:ベジタブル&フルーツマイスター 香月 りさ
写真提供 北川みゆきさん
写真提供(千葉の食育2008):NPO法人 日本食育ランドスケープ協会