五十嵐 譲史さん(シニア・ベジタブル&フルーツマイスター)
料理を核としたベジフルライフの普及に努める
●食材である野菜の魅力を知り、多くの人に還元したい

シニア・ベジタブル&フルーツマイスター
五十嵐 譲史さん
五十嵐譲史さんは、山梨県甲府市にあるフランス料理店『ミューゼー・ド・フランス・ナポレオン』オーナーシェフであり、シニアマイスターの資格を持つ野菜ソムリエ。
「知識と技術を合わせ、根拠のしっかりとした料理を提供したい」と、決意した五十嵐さんは、食材としての野菜の魅力を知るため、お店や自分の価値を高めるために、野菜ソムリエを目指します。
しかし、五十嵐さんにとって、その道は決して楽なものではありませんでした。

活動の中心は自分のお店、そして自分の料理です
「シニアマイスターになるまで通算3回、試験に落ちています。でも受講前から最高位であるシニアの資格を取得すると決めていたので、途中で諦めるという気は全くありませんでした」
その言葉どおり五十嵐さんは初志を貫き、講座に通って5年目の昨春にシニアマイスター試験を合格。以降、山梨県初のシニアマイスターとして、マスコミに注目されるようになります。
「新聞や雑誌で取材を受ける機会が増え、特に甲府近隣の方が多くいらっしゃるようになりました。料理を通して、学んだ野菜の知識を多くの人に還元しています」
●「お客様を良い意味で裏切る」野菜たっぷりのフランス料理

春キャベツで春の花と鯛を包んだ「真ダイの春つつみ」

地野菜をふんだんに用いた「スズキのポワレ」
五十嵐さんのお店に多くの人が集まる理由は、もちろんその料理。こってりとしたイメージの強いフランス料理とは異なり、野菜をふんだんに用いたヘルシーな料理は反響が大きく、初めて訪れた人は驚きを隠せません。
「『どう食べるの!?』とワクワクする料理を提供し、先入観を良い意味で裏切るようにしていますが、あくまでフランス料理の伝統的な調理法に基づいたものです。野菜の力を最大限に生かした料理『ベジ・マックス・キュイジーヌ』、それがナポレオン最大の特徴です」
ナポレオンでコースメニューを注文すれば、なんと一日に必要な野菜摂取量の半分を摂ることができます。
その特色が評価され、今年4月から『野菜ソムリエ認定レストラン』としてもスタートを切りました。「食事をしたら心も体も元気になれる、そんな料理と空間をこれからもつくり続けたい」と、五十嵐さんは認定を受けての決意を語ります。
●ベジフルライフの普及に「大」「小」はない

生協での料理教室風景。料理の基本を学びに多くの主婦が集まります
五十嵐さんは『野菜ソムリエの料理教室ライセンス』を保有しており、県内各所でおこなわれる料理教室にて、教鞭をとる機会も多くあります。
「今は野菜ソムリエとして、野菜を用いた簡単にできるフランス料理を外部で教えていますが、近々自分の料理教室を持ち、ライセンスを生かした授業をより積極的におこなっていく予定です」
その他の試みとして、「ナポレオンのメニューを商品化し、この店のことを多くの人に知ってもらいたい」とも語る五十嵐さん。その話は自身のお店と料理から離れることはなく、様々な分野に活躍の場を広げる野菜ソムリエのイメージとは、少し異なる印象を受けます。
そのギャップは当然でした。五十嵐さんは、あくまで「料理をつくること」に基軸を置いているからです。

山梨ペンション協会の料理教室にて。料理のプロも教室に参加します
「活動範囲が狭いと思われるかもしれませんね。しかし、私は野菜ソムリエであると同時に一人の料理人です。そして、私が料理を作っているのではなく、料理が私という一人の人間を作っているのです。私にとって料理とは特別なものであり、後にも先にも料理しかないので、これからも料理でできることを実践していきます」
五十嵐さんの飾らない言葉、そして一歩一歩結果を出してゆく姿勢は、私の野菜ソムリエに対するイメージを良い意味で裏切ってくれました。
「シニアマイスターの活動目的の一つに『社会貢献』がありますが、広い活動や大きな目標だけが貢献ではないと思います。私にとっては、料理を提供しお客様に喜んで頂くこと、それが一番の社会貢献です」
自己実現の仕方はそれぞれ。歩みは速くなくても、一品の料理からでもベジフルライフの普及は実践できる。その可能性を、五十嵐さんの料理は、多くの人に教えてくれるでしょう。
文章:ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスター 橋本哲弥
写真提供:五十嵐 譲史さん







